2013/05/25

「明るい庭」

庭がきれいだというので、お願いして「伏見台の家」の撮影をさせて頂いた。暮らし始めて一年後の撮影は、協力していただけるだけですごくありがたいものだが、この日はきれいに掃除をし飾り付けをして、ご家族で待っていて下さった・・。


















この住まいは、中庭を持つコートハウス。
写真右手には公園があって、2階のリビングからはその大樹と遠くに山並を望むことができる「借景の家」でもある。駐車スペースをいくらか緑化することで、公園が少しだけ広がったように感じられたらいいなと思った。










































前庭の一部は菜園になっていて、いくつかの野菜が草花といっしょに植えられている。
デザイン的には花壇の小口を薄く見せているところがミソ。土間はコンクリートを洗い出して骨材を見せ、素材感を出している。










































隣接するアパートの間を、小さな草花のあるアプローチとした。
途中に段があり、その手前に水盤をしつらえてある。エントランスまでの長い距離は
正面にアイストップとなる樹を置くことで、楽しいものに変えることができる。日本庭園からの教え。










































「玄関は小さく」、と言ったのは村野藤吾先生。「玄関にシャラシャラとした光が入ったら成功、」と言ったのは斉藤裕氏。中と外をつなぐエントランスは、待ち受け画面のよう。










































コート掛けのフックに手作りの可愛いオブジェが掛けられていた。思いがけない使い方をしてくれるのを見るのは、家をいっしょに作っているようで、すごくうれしい。









































中庭のメリットは、ひとつの樹を複数の部屋から楽しむことができるところ。 道路からの視線を気にすることもなく窓を開け放すことができ、部屋に光と風を運んでくれる。  

全ての部屋にデッキがあるので、庭へ出たり、木に触れたり、そのまま隣の部屋へ移動したりできる。

                                                                            




































2階には広いデッキがふたつあり、外部階段で1階とつながっている。
ご家族にはこの夏に向けて、デッキに朝顔の緑化テントを架けるプロジェクトがあるそうだ。どんな風になるのか今から楽しみ。
2階デッキからの光景。
壁の手前が中庭で、向こうが公園。景色は官民境界をまたいでつないでいる。

日本には「借景と」言う言葉があるけれど、景色の貸し借りとはおもしろい。
ならばどうやって返すか、そこが問題だ。 

作品詳細は、こちら。